あけましておめでとうございます。
新年を迎えると気持ちもあらたまります。
あらたな気持で介護の仕事に就いて良かったと思うエピソードをご紹介します。
その入所者は一人で車いすから手すりをもって立ち上がる練習をされていました。
その横を通りかかると「ちょっと見て」とおっしゃいました。
歩を止めて「どうされました?」と伺うと手すりをもって立ち上がられました。
すると、手すりから手のひらを数センチ浮かせて数メートル歩行されました。
「やっと手すりを掴まずに歩けるようになった。退院して施設に来て10か月、やっとできた」
そういわれて涙ぐんでおられました。
その方は普通の生活の中で腰椎骨折されて、病院で手術を受けられました。
その後、リハビリ目的で施設に入所されていました。
入所当初は車いすから立ち上がれない状態でした。
当施設でリハビリの専門職の指導を受けながら、日夜個人でもリハビリを頑張られました。
「すばらしい!」私は思わず拍手をして努力が報われたことをお祝いしました。
「ありがとう、誰かに見てほしかった、ありがとう」と涙をぬぐわれました。
この方は、すこし気難しいタイプの方です。
ご自身のスケジュール通りに事が進まないとイラっとされるのが見て取れる方です。
スケジュールに厳格に管理することで、長期間にわたってリハビリを続けてこられました。
10か月と一言で言っても、並大抵のことではありません。
歩けなくなってリハビリをする人、あきらめる人、もうどうでもいいと言われる人。
障害の受け入れ方も人それぞれです。
このエピソードを介護記録に記載しました。
すると、たくさんのスタッフから反響がありました。
- 感動的な話をありがとうございます
- 仕事に誇りを感じました
- 一緒にがんばってきてよかったです
- 施設長の温かさがうれしいです
多職種スタッフによるリハビリ、生活支援、見守り、声掛けなど、
施設での生活環境が意欲をかき立て、成果に結びついたときの喜びはひとしおです。
多職種のスタッフに感謝、経営層にも感謝、ご入所者仲間に感謝、ご家族に感謝、道筋をつけてくださっている行政に感謝、関わった人すべてに感謝してもしきれないくらいの感動をいただきました。
- 介護の仕事は奥が深い。
- いいことは毎日ある。
- いいことがあった時の感動が大きい。
- 自分も人生の幅が広がった。
私は介護の仕事に転身するまでは、仕事で感動することはありませんでした。
50代、60代の方、仕事で感動はありますか?
新年を迎え、これからも介護のお仕事のために微力を尽くしていきたいと願っています。
介護の仕事に就いて本当によかった、そう思ったエピソードでした。
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