団塊の世代が後期高齢者になられます。
50代、60代にとって、団塊の世代はちょっと上の先輩・上司であり、なじみのある世代です。
私たち50代、60代は、団塊の世代と長い付き合いがあり、取り扱いになれています。
今後介護職として働く上で大いに優位性を感じます。
団塊の世代とは?
団塊の世代とは、1947~1949年までの3年間に生まれた世代のことを指します。
1945年に終戦を迎え、戦後に第一次ベビーブームとなりました。
厚生労働省の『人口動態統計』によれば、1947~1949年までの3 年間の出生数は805万7,054人です。
その後の3年間(1950~1952)の出生数と比べて 24.3%多いのです。
直近の2020~2022年までの3 年間の出生数は242万3186人で、団塊世代と比べると7割減となります。
団塊の世代を一言で言うと、人口が多い世代です。
団塊の世代で日本が変わった
団塊の世代前後では、日本の常識が変わったとでもいうべき大きな変遷がありました。
団塊の世代が生まれる以前の日本は、古い文化、風習の時代でした。
旧憲法のもとで「家制度」があり、結婚には「家長」の承認は絶対必要でした。
新憲法で「婚姻は両性の合意のみに基いて成立する」と結婚の自由が明文化されました。
新憲法のもとで「家制度」が廃止されました。
それまでは男性は短髪が当たり前でした。
団塊の世代が若者になる頃、グループサウンズにみられるように長髪が流行りはじめました。
団塊の世代が多人数で付加価値を生み出すので、その少し上の世代は支えられました。
会社では、課長、部長という組織の長のポストが増産され、部下もたくさんいました。
団塊の世代が課長、部長になるころには、ポストが不足しました。
組織の長ではない専門職で部下無しの課長、部長が誕生しました。
われわれ50代、60代も部下無し管理職を経験された方も多いでしょう。
団塊の世代の特徴
団塊の世代の象徴として、学生運動がよく取り上げられます。
新旧が入れ替わる「革命」がゆるやかに進行していた時代背景がありました。
努力と成果は比例する、という考えの方も多いといわれます。
高度成長期を経験しているがゆえに、右肩上がりの経験則を持っておられるといわれます。
団塊の世代の上司からは「成果が上がらないのは努力不足」の一択で片付けられることもありました。
同じ世代の人が多いから個々に差別化にこだわりがあった、とよく言われます。
われわれ世代は前述のように、組織の長以外に専門職の長が居る時代に差し掛かっていました。
現在の50代、60代は、多くの上司・先輩に気遣いが必要でした。
こだわりが強い、競争意識が強い、などの特徴が上げられます。
団塊の世代との付き合い方
われわれ50代、60代にとって、団塊の世代は少し上の先輩・上司でした。
団塊の世代から見たわれわれ世代は、競争相手にならない若手でした。
だから安心して育成指導することができ、かわいがってきた世代です。
また、若手の意見ということで、われわれ世代の意見を聞いてくださいました。
世間的には団塊の世代は扱いが難しいように言われています。
が、私や同年代の同僚はあまり団塊の世代の特徴を意識したことはありませんでした。
仕事上でも意見をはっきり言えば聞き届けてくださいました。
酒席での無礼講も受け入れていただいて、カラオケではグループサウンズの曲を歌うと喜ばれました。
「上司はどうでも良いことにこだわる。どうでもいいことは、上司の言い分をあっさり飲め」
会社の研修ではこのように教わりました。
これは団塊の世代の傾向と対策だったのでしょうか?
こだわりには逆らわずに対処してきました。
たしかにどうでもよいことにこだわられて報告書が差し戻しになることもありました。
ホッチキスを横向けに止めて報告書を出すと「斜め止めのほうがめくりやすい」と言われました。
現在の50代、60代は、どうでもよいことは逆らわずに、あっさり従ってきました。
まとめ
いま、団塊の世代はおおむね年金生活を送られています。
少し丸くなられたでしょうか?
思い起こせば、社会人としての大半を団塊の世代とともに過ごしてきました。
団塊の世代は、われわれ世代の意見を聞き入れることを心がけてこられたという背景もあります。
われわれ50代、60代は、団塊の世代と付き合える強み、意見できる強みがあります。
われわれよりも下の世代の意見は聞かなくても、われわれ世代の意見を聞き入れる傾向があります。
介護業界ではその特徴を勉強して扱い方を研究している方もあります。
われわれ50代、60代には団塊の世代の肌感があります。
介護の現場では、介護職が要介護者を説得するシーンが数多くあります。
団塊の世代には、われわれ50代、60代は説得力を発揮します。
団塊の世代はこれから介護業界の新規顧客になります。
いま一度、要介護者の団塊の世代と介護の仕事でお付き合いしてみませんか。
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