これから老い衰える50代、60代がAI時代をいかに生き抜くか。
「われわれ世代はAIからは逃げるが勝ち」というテーマで記します。
50代、60代はまだまだやらねばならないことがあります。
ピークを過ぎたことを認めて、AIとは戦わずに逃げましょう。
介護はAIが苦手とする業界です。
介護の世界でAIの嵐が吹き荒れるのをやり過ごすことも、生きる知恵ではないでしょうか。
AIが我々世代にもたらす5つのリスク
AIの急速な発展、進化は、われわれ50代、60代に5つの大きなリスクをもたらします。
- AIが超高速で進化しているのでAIに仕事を奪われるリスクがあります。
パソコン導入、OA化よりも、もっと速いスピードで人の仕事を奪います。 - 先輩諸氏のように終身雇用では守られないので収入を失うリスクがあります。
- 悠々自適で生活できる貯えや収入がある方以外は、生活が困窮するリスクがあります。
- われわれ世代は能力のピークを過ぎて衰え始めており、時代に取り残されるリスクがあります。
- この先もまだまだ人生は長く、人生100年時代に立ち向かうリスクがあります。
はじめに
おそらく、パソコンが職場に導入されたと同じくらいの衝撃的変化がAIによってもたらされます。
われわれ50代、60代の実年世代は、職場にパソコンが導入され、ワープロソフト、表計算、インターネット、電子メールの導入を目の当たりにしてきました。
いわゆるOA(office automation)で、なにもかもがOA化によって変わってしまいました。
先輩の中にはついてこられない方もあり、メール操作やネット検索もできない方がおられました。
80年代の終わりころにワープロが職場に入り、90年代にパソコンにとって代わり、表計算や電子メールが仕事で利用され始めたのは90年代の後半かと思います。
その後、プレゼン資料作成、業務報告もパソコンになり、社内の規則なども電子書面化されたのは2000年代だったと思います。
パソコンの進化に沿って如何にパソコンを使いこなすかが、仕事の成否に直結していました。
その間の約20年で仕事の進め方や常識も大きく変わりました。
AIは自動的に学習して自動的に進化しますので、パソコンの導入とは比較にならないスピードで進化し、浸透することでしょう。
われわれ50代、60代の実年世代はどうすればよいのでしょうか。
このブログでは介護業界への転身をお勧めしています。
今後は50代、60代がAIと共に生きることを考え「AIとの共生(WITH AI)」の観点からも記します。
なお、ONEN AI社のチャットGPT(ChatGPT)やチャットボット(chatbot)が有名ですが、google社はBard、Microsoft社はBingAI、Meta AI社はLLaMAなど、様々な会社が対話型AIを公開しています。
この記事では一般名詞の「対話型AI」(もしくは「チャットAI」)と表現します。
1980年代「電卓対そろばん」勝負の思い出
1982年に新卒社会人として入社し、80年代後半ころは担当業務の中に予算管理がありました。
当時のワープロはまだ表計算の機能が普及していなかったので、電卓で計算して手書きで予算管理表を作成してワープロで清書していました。
ある日40代半ばの先輩社員から「そろばんのほうが早い」と言われスピード勝負を挑まれました。
結果は先輩のそろばんの圧勝で、私の電卓は惨敗しました。
先輩はそろばんに絶対の自信と信頼を持っており鼻高々でした。
1990年代 前半 ワープロ表計算の思い出
ほどなく、表計算ができるポータブルワープロが発売されました。
それまでのワープロは、フロッピーディスクに漢字を読み込みに行ってガチャガチャと音がした後に漢字が表示されていました。
ポータブルワープロの出現によって計算の正確性が増し、清書の手間が無くなりました。
上司もポータブルワープロの表計算機能を使うように奨励しはじめました。
そろばん派の先輩は時代への追随をあきらめて、われわれ若手に予算管理表作成を依頼するようになりました。
1990年代 後半 ワープロがパソコンに置き換わる思い出
Windows95がリリースされたころ会社のTOPから「机の上のワープロをパソコンに置き換えろ」という指令が出ました。
数年後にはワープロはパソコンに置き変わりました。
90年代中頃は海外営業を担当しましたが、まだテレックスの時代でした。
インターネットの環境整備が追いついていなかったので、Eメールは文字化けする時代で商取引の証拠能力がありませんでした。
携帯電話機を個人で持つようになったのもこの時期でした。
2000年代 Eメール・携帯電話が主流になる思い出
2000年代に入ると業務連絡は社内のメールシステムが主流になり、会社から携帯電話も貸与されるようになりました。
いわゆるユビキタス化が進み、いつでもどこでも仕事ができる環境に近づいてきました。
定額給与で働き放題、いまで言うサブスク的な働き方が始まったのもこのころではないかと思います。
2023年~ 読み書きそろばんはAIになる近未来
これらの発展過程で雲の上の上司から言われたのが「人に求められる能力は結局、読み書きそろばんなんだよ。
江戸時代は読み書きそろばん、現代ではパソコンと英語、これがこれからのビジネスに欠かせないものだよ(1990年代後半当時)」と教わりました。
早々に時代への追随をあきらめたそろばん派の先輩は、終身雇用で会社に在籍はされていましたが、閑職に配属となり、昇進も昇格もされませんでした。
現代版の読み書きそろばんは、AIに集約されます。
ポジティブに考えると、AIを使うことが読み書きそろばんをマスターすることになります。
ネガティブに考えると、AIに読み書きそろばんを取られたら人間の仕事は無くなります。
50代・60代がおかれている立場
AIは自分で自動的に進化するので、進化スピードが異常に速いのが大きな特徴です。
これまでに記した思い出話のように長い年月をかけて進化するものでないようです。
ほとんど前触れなく、いきなり仕事が無くなる恐れがあります。
AIそのものの進化には、優秀な人間でもついていけないという状況になりつつあります。
能力のピークを過ぎたわれわれ50代、60代では、到底ついていけません。
進化スピードを規制しようという動きもありますが、国際的な取り決めの枠外にいる国もあり、開発競争は止められないと思われます。
先輩諸氏の中には、早々に時代に追従するのをあきらめながらも終身雇用制度で働き続け、60才でリタイヤして年金で悠々自適に暮らしている方もあります。
いまは政府も雇用の流動化に向けて動き出しており、終身雇用制度は過去の遺物になります。
これも日本企業の国際競争力を高めるためには抗うことができない流れになりそうです。
年金支給開始が遅くなり、年金額も減少しているわれわれ50代、60代の実年世代では、年金生活は考えづらい状況です。
まとめ
このように考えると「お先真っ暗」と思われるかもしれません。
この状況を打破するのは、AIが苦手な分野で実務経験を積むことです。
AIが不得手で人間が得意な仕事を探してみてはいかがでしょうか。
私は自身の経験も踏まえて、同世代の方に介護業界への転身をお勧めしています。
本来は介護の仕事の魅力に引かれて転身されるのが良いと思うのですが、今の状況(AIの台頭)であれば「背に腹は代えられない」という心境での判断も必要かと思います。
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