刺激的な表現もあるかもしれませんが、時代背景も併せてお伝えしたいので、私が見てきた事実を記載します。
転職するか否かにかかわらず、時代に合わせて自分自身のキャリアの再構築が必要ということが分かります。
1.引き算ができない正社員
これは極端な例ですが、40年程度過去になりますが、当時、大手製造業の会社に入社したところ、高校を卒業して採用された正社員の中には、引き算ができない人もいました。
とにかく生産のためには人手が必要であったので同業他社に打ち勝つため、言い方は悪いですが「人をかき集める」という実態がありました。
時代の変遷とともに、国内生産は自動化が進み、手作業の生産は海外移管が進みました。
終身雇用という労働者側の権利と雇用者側の義務が交錯し始めました。
自主的にキャリアの再構築ができた人は新たな居場所ができましたが、権利だけを主張していた人は、社内失業のような状況になり、職場が居づらい場所に変わっていきました。
2.称賛を得てきた仕事が無くなった正社員
いわゆる余剰人員と言われる同年代の正社員を転勤で受け入れしたこともありました。
その人の所属部門は成長分野であったので、業績・役職・給料も右肩上がり、上司からは激励され、周りからも称賛されてきました。
所属部門の成長が鈍化して、気が付いたら時代の変化に対応できない高給取りになってしまっていました。
転勤に際して面接をすると「営業には自信があります」というので、新規開拓営業を託してみましたが成果が出ない。
よく話を聞いてみると、彼の得意な営業スタイルはルートセールスで、定期的に同じ顧客のところに顔を出して、飲みに行ったり、カラオケを歌ったり、草野球に参加したりで人間関係を築いてモノを売ってきたということでした。
彼の自信の根拠は、自己主張せず無理難題を受け入れ、得意先に従順に尽くすことができる、ということでした。
事業の成長の鈍化とともにルートセールスが減少し、新規新規開拓営業が必要とされる時代に変わっても彼は自分のキャリアの再構築に考えが及ばず、得意分野のルートセールスだけを追い求めて仕事が無くなっていました。
3.社内限定の専門家となった正社員
社内組織やキーマンを利用する側は、管理職、経営職ですが、社内でしか通用しない社内限定の専門家になってしまいがちです。
大手の企業では社内に専門家がたくさんいます。
たとえば法律に関しても、会社法、労働法、独禁法など、それぞれ担当する部門が違って、それぞれを生業としているキーマンが居ます。
そのキーマンは社外でも講師ができるレベルの知識と経験があります。
管理職、経営職は、社内組織の役割分担や事情に詳しく、それぞれのキーマンを知っていると仕事がスムーズに進みます。
逆に、その部門に相談せずにコトを進めると、成否にかかわらず進めたこと自体が大きな失点になります。
結局、半ば強制的に社内組織を使うので仕事ができた気になるのですが、社内組織やキーマンを利用する側の管理職、経営職のスキルは社内でしか通用しないスキルになりがちです。
最低限、自分の意見をもって専門家に確認する、というレベルのスキルを保持していれば、他社でも通用するマネジメントの専門家になれるので、キャリアの再構築が必要です。
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