【50代、60代の転職】はじめてのデイ送迎ドライバー基礎知識5選

50代,60代にとってなつかしい昭和のオート三輪_マツダK360 デイ送迎ドライバーの仕事
50代,60代にとってなつかしい昭和のオート三輪_マツダK360

50代、60代で自動車運転免許証でできる転職を探す方は多いと思います。
デイサービス、デイケアの送迎ドライバーが頭に浮かびます。


わたしは直接、間接を含めて、のべ50,000人以上の方の送迎に携わりました。
この記事では「デイ送迎の基礎知識」についてまとめてみました。

介護送迎車-シニア

はじめてのデイ送迎ドライバー基礎知識 5選

簡単な用語

介護保険施設を利用するお客様のことを「利用者」と言います。
丁寧に「ご利用者様」ということもあります。

利用者を呼ぶときは名前で「〇〇さん」と呼びます。
おじいちゃん、おばあちゃん、などのワードは使いません。

デイ送迎には「迎え」「送り」があります。
利用者を朝に迎えに行って、夕に送り届けます。

送迎車両の運転は「ドライバー」です。
介護資格がない新人ドライバーの場合、添乗員が付きます。

デイ送迎_おじさんと女性スタッフ

利用者の介助のために同乗するスタッフは「添乗員」もしくは「介助員」として区別しています。
車いすから自動車の椅子に乗り移ることは「移乗」といいます。

「移乗」せずに車いすのまま乗車できるタイプの送迎車両もあります。
送迎には方面ごとにある程度固定の順番があり「〇〇方面の送迎ルート」と呼びます。

敬語を使う

介護サービスを提供する側は、お客様と敬語で接するのが基本になります。
はじめて介護の仕事に就くと「〇〇してあげる」という意識になりがちです。

しかし、介護サービスを利用される高齢者は「お客様」です。
しかも年齢が上の方です。

会話も介護

対等の言葉づかい、なれなれしい態度は控えます。
どこの介護事業者でも、敬語(もしくは丁寧語)で接することが求められます。

超・安全運転

デイ送迎では、高齢者を移送していることを強く意識します。
急発進、急ハンドル、急ブレーキは、絶対に避けなければなりません。

「避ける」とは、急発進、急ハンドル、急ブレーキは、未然に防ぐという意味です。
前方車両が急ブレーキを踏んでも、子供が物陰から飛び出しても、急ブレーキを踏まない運転が理想です。

子どもの飛び出し
普通の安全運転ではなく超・安全運転が求められます。
介護保険サービスを利用する高齢者は身体機能が弱っています。

壊れやすい精密機器を数多く積んでいるイメージです。
急ハンドルなどでむち打ちのような症状が出たら、完治まで長引きます。

後遺症がずっと残ることもあります。
そんなことがあるとその利用者の終盤人生が大きく変わってしまいます。

私は脊椎損傷の利用者の送迎も経験しました。
首が揺れると生命にかかわります。

急発進、急ハンドル、急ブレーキは、絶対に避けるのは当然です。
道路の凸凹による振動でさえ、できるだけ小さくなるように路面を凝視しながら走行しました。



極端と思えるような事例はどこの施設でもあると思います。
必要以上に恐れる必要はありません。

超・安全運転が求められる事情があるとご理解ください。

交通法規の厳守

スピード違反一方通行の逆行一旦停止違反などの交通違反を起こさない
特に朝の送迎時間帯で通学路が歩行者専用になっているケースが多々あります。

道路標識 通学路歩行者専用道路

いつも通り何気なく通過しても違反になることがあります。
送迎の到着時間はだいたい決まっています。

違反の手続きで遅れると施設から代わりの送迎車を出すなどの厄介な対応にも迫られます。
もちろん、違反の点数や反則金は自己負担です。

施設によっては始末書を書かされるケースもあります。
交通違反をすると何一つ良いことは無いので十分気を付けてください。

前日の飲酒量の注意

最近は飲酒運転を防止する責任が大きくなっています。
デイ事業者も運転前のアルコールチェックが義務化されています。


送迎まえにアルコールチェッカー

飲酒運転事故(デイ送迎ではなく全体の飲酒運転事故)の約35%が乗務前の飲酒です。
うち約42%が乗務中の飲酒です。

残りの約23%は不明とされており、前日の飲酒が体内に残っているケースも相当数あるようです。
国土交通省の資料では、個人差はありますがアルコールの分解能力は

         1時間当たりアルコール 4グラム
とされています。

あさ8時30分から運転業務に就く場合の前日の飲酒量(おおむねの例)

         缶ビール3本、22時までに飲み終える、

                          となります。

缶ビール缶ビール缶ビール


それが多いか少ないかは人によって感じ方が違います。
お酒が好きな私にとっては、この量と門限は少し努力が必要です。

いわゆる「飲み会」は休日前に設定していました。
また、個人でアルコールチェッカーを購入してセルフチェックをしていました。

50代、60代は、深夜までお酒を飲んでも翌朝は仕事、ということも多かったと思います。
お酒が好きな方は、注意してください。

※職業ドライバーに限らず、プライベートで運転する場合も絶対に法令遵守しなければなりません。

参考:飲酒に関する基礎教育資料 国土交通省HPより

まとめ

事前に脅かすつもりは無いのですが、車を運転するだけ、という気軽な仕事でもありません。
かといって高度な技能が要求されるわけでもありません。

基本的なことをしっかり守っていれば勤まる仕事でもあります。
ドライバーから始めて介護の資格を取って介護職になった方もあります。

デイサービス送迎-02

このブログを通じて、50代、60代の方々に介護業界への転身を勧めしています。
デイドライバーは、介護業界の入り口としてもよい選択肢だと思います。

実際に仕事を始めるとなかなか奥が深く、人と触れ合う楽しい仕事です。

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