50代、60代で転職を考えたとき、自動車運転免許証でできる仕事を探す方は多いと思います。
デイサービス、デイケアの送迎が真っ先に頭に浮かびます。
私の経験談を踏まえて、送迎ドライバーのお仕事を解説します。
この記事では「送迎業務での軽微な物損事故」についてまとめてみました。
なお、送迎ドライバーの求人募集では、デイサービス(通所介護)とデイケア(通所リハビリテーション)の2種類の事業所があります。
勤務条件が合えばその区別を意識する必要はないと思います。
この記事ではデイサービスとデイケアを総称して「デイ」と表現します。
交通事故の種類
交通事故は多岐にわたります。
当てた、当てられた、双方に過失がある場合など、また、人身事故、物損事故、人身事故でも利用者の場合、第三者の場合など、原因も対応も多岐にわたります。
事故の場合は、法律に従って対処します。
プライベートで運転する場合と同じです。
大きく違うのは、軽微な物損事故の場合です。
ここでは軽微な物損事故を取り上げます。
軽微な物損事故の例
ここでは、ブロックの壁に車が接触、という程度の事故を想定します。
車にはうっすらと傷がついている程度、相手のブロックは無傷に見えます。
それでも話が大きくなる可能性はあります。
軽微な物損事故もリスクだらけ
民家の壁を車がこすった、車が電柱に接触した、などの軽微な物損事故の場合、プライベートなら特に対処せずに放置するかもしれません。
しかしデイ送迎の車は外観におむね施設名が記載されています。
他人のドライブレコーダに録画されているかもしれません。
通報されたり、SNSに投稿される恐れもあります。
後になって「ここの破損もその時のものだ」と言われて被害が拡大します。
その時の傷以外の積年の傷も修理費用を請求されるリスクがあります。
乗車中の利用者が居たら「あの時から腰が痛む」など後になってから人身事故に発展します。
相手に一切悪気が無くても、潜在的なリスクの温床になります。
運転(送迎)を中断する
まず車を停めて施設に連絡して指示を仰ぎます。
私が施設の責任者であれば、すぐに代替の車とドライバーを用意して私も同乗して現場に向かいます。
現場につくまえまでは、次の対応を指示します。
それは面倒でも職員、利用者を含めてみんなを守るためでもあります。
利用者の安全確認をする
その場ですぐに全員の安全確認をします。
利用者や介助員が乗っていれば、ケガが無いこと、気分不良が無いことなどを確認しておきます。
後に問題になっても、どういう衝撃であったか、同乗者が証言してくれる可能性もありますので、その事故を印象づける狙いもあります。
警察に通報する
警察に通報して来ていただきます。
「この程度で警察を呼ぶのか?」
ブロックにこすっただけだったので抵抗があるかもしれません。
それでも警察は来て対処してくれます。
現場の撮影
可能であれば現場を撮影しておきます。
車の傷、ブロックの傷、周辺の道路状況などを画像で記録します。
相手先の民家に謝罪
第一報として民家の呼び出しベルを押して、事の顛末を説明して謝罪します。
少しのことで大げさに対応しているようでご迷惑をおかけしてしまいますが、その場で一緒に現場確認をするのが大切です。
留守ならば後日出直しましょう。
ただし、出直すときは一人で行かないほうが良いと思います。
警察の事情聴取
警察が到着したら事故車のドライバー本人は警察の事情聴取対応を優先します。
利用者は代替車に乗り換えてもらって、別のドライバーで送迎を続けます。
警察には、事故事実の認定、事故の状況の公平な証人、としての役割を期待するものです。
関係者への連絡(他の職員が担当)
関係者(家族と担当ケアマネ)に報告します。
施設の管理職かデイの責任者クラスが、個々の利用者の関係者に連絡します。
事の顛末を説明して、当該利用者のご様子、他の利用者のご様子も含めて報告し、謝罪します。
相手の受け止め方や利用者の持病などによっては、訪問して詳しく説明することもあります。
保険会社への一報(他の職員が担当)
万一の損害賠償請求に備えて保険会社には一報を入れておきます。
損害認定の段階になると保険会社が事故との因果関係を調査してくれる場合があります。
何もなければよいのですが、念のため早めに一報を入れておくようにします。
まとめ
事前に脅かすつもりは無いのですが、車を運転するだけ、という気軽な仕事でもありません。
かといって高度な技能が要求されるわけでもありません。
基本的なことをしっかり守っていれば勤まる仕事でもあります。
ドライバーから始めて介護の資格を取って介護職になった方もあります。
このブログを通じて、50代、60代の実年世代の方々に介護業界への転身を勧めしています。
デイドライバーは、介護業界の入り口としてもよい選択肢だと思います。
実際に仕事を始めるとなかなか奥が深く、人と触れ合う楽しい仕事です。
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