介護職場を絞り込む3つのポイント

転職活動アドバイス
清流に小さな滝

数ある介護職場の中から自分に合う職場を絞り込む3つのポイントを紹介します。
求人に応募する前に、自分に合いそうな職場を絞り込んでみましょう。

1.運営主体から絞り込む

運営主体によるカラーの違いがあります。
大まかな特徴を記します。

株式会社

株式会社のオーナーは株主で、会社の資産や利益は株主のものです。

社長以下の役員も管理職も、株主利益のために職務を全うする責務を負います。

法的にもいろいろな規制があり、社内ルールに沿った対応が厳しい傾向があります。

現場にもルールに厳しい空気もありますが、他職種でも株式会社で働いたことがある方は、普通あるべきレベルのルールがある、という感覚です。

  • 独立系非上場会社
    特に上場を目指していなければ、比較的自由度が高い
    個人オーナー的な会社なのでオーナーとの相性に左右される
  • 独立系上場会社
    上場企業は社内ルールが厳しい
  • 上場会社の子会社
    親会社とほぼ同じ精度の管理が求められる

社会福祉法人

社会福祉法人は社会福祉を目的として設立された団体で、公的資金の支援もあり、非課税でもあります。

そういう優遇面があるので、法人のルールについては株式会社と比較してやや甘めという印象があります。

株式会社に比べて働く人も福祉系の生え抜きの人が多いようです。
介護の現場ではルールよりも福祉的な倫理観を重視する空気があります。

  • 医療法人系
    医師、看護師も系列法人に居るのでなにかと安心。給与も医療系の法人に寄せてくるのでやや高めのところがある。
  • 独立系
    福祉に熱心であるが、利益もかなり厳しく追いかけます。

2.運営サービスから絞り込む

施設サービス

  • 業態の特徴

    利用者が施設内に居住(もしくは短期滞在)される利用者に介護サービスを提供するサービスです。

    特別養護老人ホーム、老人保健施設、有料老人ホーム、ショートステイなどがあります。

    ※有料老人ホーム、ショートステイは介護保険制度では在宅サービスに分類されますが、働く側の観点からは施設サービスに近い業態で、ここでは施設サービスに分類しました。

  • 仕事内容の特徴

    24時間生活を見ることが、良い場合としんどい場合があります。

    薬の飲み忘れや夜間の睡眠状況まで把握できる良い面と、体調不良や不穏で精神面が不安定になったときに目が離せなくなるしんどい面があります。

  • 利用者との接し方の違い

    生活全体を見るので、明るく楽しく接するだけではなく、毅然とした態度で注意しなければならないケースも多くなります。

    利用者側もそこに住んでいるので、少し嫌なことがあっても我慢して利用継続となるケースが多いのですが、24時間その方の生活のお手伝いをして命を預かるというプレッシャーがあります。

  • 労働環境

    施設サービスでは、24時間を複数の職員が出勤時間をずらしたシフト勤務で対応しているため、早朝・深夜にも勤務があります。

    生活は不規則になりがちですが、慣れればシフトに合わせて体調をコントロールできるようになります。

    職員の急欠などがあると、急遽シフト変更になり、早く出勤したり、残業で残ったり、休日の入れ替えなどもあります。

    24時間動いている職場なので、それでも個人の事情も考慮してくれる職場がほとんどです。

    ただ、自分自身が何らかの形で急欠に至るリスクを抱えている場合は、肩身が狭くなるので注意しましょう。

  • 収入面

    いろいろな手当てがつくので、在宅サービスに従事するよりも収入面では潤います。

    それぞれの職場で条件が違いますが、フルタイム勤務可能な正社員、役職無しで、おおむね年収400万円(額面)前後となります。

在宅サービス

  • 業種の特徴

    利用者が自宅に住んで介護を受けるサービスです。

    居宅支援事業所のケアマネージャーが作成したケアプランに基づいたサービスを提供するという仕事です。

    訪問介護、訪問入浴など、自宅に訪問してサービス提供する形態と、デイサービス、デイケアなど、施設に来ていただいてサービス提供する形態があります。

  • 仕事内容の特徴

    利用者の生活の中の一部分とのかかわりになるので、良い面と心配な面があります。

    良い面は、日中の短時間のお付き合いなので多少対応が難しいケースでも割り切って接することができます。

    反面、体調が悪そうなときに、「ちゃんと薬を飲んでいるのかなぁ」、「夜は眠れているのかなぁ」と気になっても確認するすべがない場合がほとんどです。

  • 利用者との接し方の違い

    利用者の生活基盤は自分の家なので、少しでも嫌なことがあれば、すぐに他社のサービスに切り替えられることがあります。

    毎回上機嫌でサービス提供を締めくくらなければならないというプレッシャーがあります。

  • 労働環境

    在宅サービスはほとんどが日中のお仕事なので、早朝深夜のお仕事になることはほぼありません。

    職員の急欠などがあると、急遽シフト変更になり、早く出勤したり、残業で残ったり、休日の入れ替えなどもあります。

    それでも個人の事情も考慮してくれる職場がほとんどです。

    自分自身が何らかの形で急欠に至るリスクを抱えている場合は、面接時に包み隠さずお話ししておくことをお勧めします。

  • 収入面
    施設サービスに従事するよりも収入面では低めになります。

    それぞれの職場で条件が違いますが、正社員、役職無しでおおむね年収300万円台半ば(額面)前後となります。

3.勤務地から絞り込む

自転車で行ける程度の範囲で、家から近からず遠からず、をお勧めします。

不規則残業などが発生しやすい仕事なので、家から遠いと通勤の疲れが蓄積されます。

かといって、家から近すぎると、ご近所の知らなくていいことまで知ってしまうなど、なにかと近所づきあいに疲れるケースもあります。

自分の生活基盤の中で仕事をするよりは、少し離れた職場を選ぶことをお勧めします。

コメント