人生100年時代、老後2000万円不足問題(50代60代の課題)

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50代、60代は課題様々な課題にさらされています。

結論としては「生涯現役」で働き続ける覚悟が必要なのかもしれません。

ここではまず大きな課題について取り上げてみます。

人生100年(想定外に寿命が延びた?)

日本人の寿命は延び続けています。

日本人の平均寿命はおおまかに、江戸時代以前は40未満、大正時代40代、昭和時代40代⇒70代、平成時代70代⇒80代、と推移しています。

わかっている範囲では弥生時代(1700~2300年前)も40未満であったとされています。

ざっくりと考えると2000年間40才未満であった平均寿命が昭和以降の100年間で倍以上の80才代に伸びたということです。

さまざまな要因が寿命が延びた背景にあります。

事前に想定して対処することは難しかったようです。


現状を受け止めて対処するしか無いように感じています。

老後2000万円問題

この数字が発表された際にはあまりにセンセーショナルで「政府が無責任だ」という論調が目立ちました。

ただ、寿命が急激に伸びたのは、前述のとおり想定外の事態なので誰の責任でもないとも思います。

100歩ゆずって誰かのせいだとしても、個々で自分のための解決策を考えても良いのではないかと思います。

端的に抽出すると「収入と支出の差である不足額約5万円が毎月発生する場合には、20 年で約 1,300 万円、30 年で約 2,000 万円の取崩しが必要になる」ということです。

この2000万円という金額には見解の相違があるにせよ、公的年金だけでは生活が困窮することは間違いなさそうです。

参考:「高齢社会における資産形成・管理」 金融庁HPより

公的年金の主旨

これまでに退職された先輩方は、年金を受給して遊んで暮らしておられる方もお見受けしました。

しかしながら、そもそも公的年金は「リスクに備えた保険の仕組み」という位置づけです。

老後の「ご苦労様」というご褒美ではなく、働けなくなるリスク、収入が無くなるリスクに備えるためのものなのです。

働けるうちは働く、という原点に立ち返ることが、これらの問題への対処方法だと感じています。

働き続けるという選択肢

必要とされる2000万円を65才から75才の10年間で働いて収入を得るという方法があります。

単純計算で恐縮ですが、2000万円÷10年÷1000円/時給=2000時間/年となります。

現役並みに2000時間/年働けば現在の貯えが0でも解決します。

月々の健康保険料の負担が減るのも助かります。

現実問題として65才以降にフルタイムで働くにはそれなりの体力も必要なので、困難が予想されます。
何らかの時給を上げる工夫も必要です。

たとえば、介護の資格と職務経験があれば、65才以上でも一般のアルバイトよりも上の時給が目指せますので勤務時間も短くできます。

早めに転身するという選択肢

別記事で触れますが、役職離任、嘱託という選択肢は、制度上は理解できるのですが、実際に体験するととても難しい制度だと感じています。

これまでと違うフィールドで働くことが、精神衛生上もよい選択肢かもしれません。
そしてその決断は早いほうが良いと思います。

50代前半の気づき

40代までの職業生活ではゆるやかに坂道をもぼっていました。

50代に入って、そのたころの輝きはもう戻らないことを実感するまでには段階がありました。

私の事例では、50代の差し掛かりは「まだやれる、若いものに負けてたまるか」と思っていました。

しかしながら、実際に若い優秀なメンバーに接すると、相手の理解力、スピード、パワーに圧倒されることがありました。

人生の峠を越えた気づき

40代までは交渉相手が優秀だと感じても、何かしらこちらも譲らない手段がありました。

一部を限定して「譲る」余裕もありました。

50代前半で咄嗟には思考が回らなくなり、手も足も出ないような感覚に陥りました。

そこで初めて「少し衰えたかな」と気づきました。

そうなると、衰えを取り繕う、覆い隠す、ということに注意を払うようになり、浮足立つこともありました。

それを繰り返しながら「こんなはずじゃなかった」と思いはじめて「自分はもう人生の峠を越えている」と気づきました。

職業や収入が無くなる恐怖

収入の額、貯えの額も峠を下り始めたことを感じ取ると、これまでとは違ってこの先取り返せない、復活できない、という恐怖にもかられました。

今後も減り続けて大丈夫なのかな?としみじみ感じたことがありました。

社会からはみ出してしまうのではないか、はみ出したら戻ってこれないんじゃないか、という思いに至り「職を失いたくない」という切羽詰まった感覚にも見舞われました。

「生涯現役の職に就きたい」という思いが、早期退職を決断した理由の一つになりました。

まとめ

50代、60代の方が社会に出たころ、戦中派と呼ばれる年代の方が現役でおられました。

戦中派の方は、定年後は年金で悠々自適の生活を送られている方が大勢おられました。

団塊の世代の方は、定年後の過ごし方も独自の方向性がある方が多いようにお見受けしました。

いざ、我々の世代が定年を迎える時代になると、人生100年時代、老後2000万円不足問題が浮上してきました。

この記事では、われわれ50代、60代は避けられない課題に直面していることを取り上げました。

人生の峠を越えて下り坂に入る局面は、現状を見極めて今後の職業生活を見直す時期でもあります。

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