50代、60代の実年世代が期待されています。
その背景、理由を厚生労働省の資料から抜粋してご説明いたします。
はじめて介護業界で働くにあたって、国や地域から期待されていることを知っていただければ、やりがいにもつながると思います。
知っておきたいポイントをまとめました。
(「介護保険制度の概要 令和3年5月 厚生労働省老健局」より抜粋引用)
介護保険制度は高齢者の介護を社会全体で支え合う仕組み
【基本的な考え方】
- 自立支援・・・単に介護を要する高齢者の身の回りの世話をするということを超えて、高齢者の自立を支援することを理念とする。
- 利用者本位・・・利用者の選択により、多様な主体から保健医療サービス、福祉サービスを総合的に受けられる制度
- 社会保険方式・・・給付と負担の関係が明確な社会保険方式を採用
今後の介護保険をとりまく状況
- 65歳以上の高齢者数は、2025年には3,677万人となり、2042年にはピークを迎える予測(3,935万人)。また、75歳以上高齢者の全人口に占める割合は増加していき、2055年には、25%を超える見込み。
- 65歳以上高齢者のうち、認知症高齢者が増加していく。2012年462万人 → 2025年700万人
- 世帯主が65歳以上の単独世帯や夫婦のみの世帯が増加していく
- 75歳以上人口は、都市部では急速に増加し、もともと高齢者人口の多い地方でも緩やかに増加する。各地域の高齢化の状況は異なるため、各地域の特性に応じた対応が必要。
地域包括ケアシステムの構築について
厚生労働省においては、2025年(令和7年)を目途に、高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援の目的のもとで、可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、地域の包括的な支援・サービス提供体制(地域包括ケアシステム)の構築を推進しています。
総合的な介護人材確保対策
- 介護職員の処遇改善
- 多様な人材の確保・育成
他業種からの参入促進
企業等で定年退職を予定している者や、中高年齢者、子育てが一段落した者など
→「介護に関する入門的研修」の実施:厚労省主導 - 離職防止、定着促進、生産性向上
- 介護職の魅力向上・外国人人材の受け入れ環境整備
介護現場の革新(生産性向上)
- ICTや介護ロボットなどのテクノロジーを駆使した技術の開発
- 見守りセンサーやケア記録ソフト、インカムなどの活用
- 介護ロボットの導入支援
装着型パワーアシスト(移乗支援)
非装着型離床アシスト(移動支援)
入浴アシストキャリー(入浴支援)
見守りセンサー(見守り)
まとめ
少子高齢化社会を支えるにあたって、50代、60代の実年世代が期待されていることを厚生労働省の資料より抜粋しました。
まとめた主旨を要約すると以下のようになります。
- 介護が必要な人は増え続ける、
- 介護に従事する人材は不足する、
- 50代、60代の実年世代が働き手として期待されている、
- 将来、職を退いた後も地域包括ケアシステムの中での活躍が期待される、
老人クラブ、自治会、ボランティア、NPO 等 - 介護現場の革新をつうじて労働環境は改善されつつある、
このような社会的背景と国の政策、支援を受けて、親の介護やご自身の将来を見据えて、国の政策が50代、60代の実年世代に行動を起こすチャンスを作っていると、とらえてみませんか。
コメント