人生100年時代を生き抜くためには、リスクを見極めた対処が必要です。
楽観論、悲観論に左右されず、現実を見つめなおしましょう。
老い、衰ろえには個人差がある
100才でも元気で体を動かして農業などを営んでおられる方もおられます。
頭を使って講演活動などに従事される方もおられます。
逆のケースでは疾病などの影響で65才を前にして要介護状態になられる方もおられます。
老い、衰ろえには個人差があります。
長くお元気な方の事例を参考にしても、自分には当てはまらないかもしれません。
また、老いることを過度に恐れる必要もないかもしれません。
100才でも歩いて教会に通っておられた方
私の身近にも100才を超えて毎週日曜日には歩いて教会に通っておられる方がおられました。
牧師さんのお話を聞いては、まだまだ日々勉強することがたくさんある、と言われます。
讃美歌もしっかりとした口調、トーンで歌われます。
お人柄も明るく円満そのもので教会のお仲間の人気もすこぶる高い方でした。
65才を前にして要介護の方
介護にかかわっていると、このタイプの方のほうが多くお見受けします。
65才未満でも特定疾患に罹患されると要介護認定が受けられる場合があります。
私がかかわった方は、脳卒中で半身まひになられた方、難病で立位が取れなくなった方、若年性認知症の方など、さまざまなケースがありました。
ご本人も配偶者の方もお若いので献身的な在宅介護の末に施設入所となられるケースもありました。
平均値で考えてみる
2019年の平均寿命と健康寿命は以下の通りです。
平均寿命 健康寿命
男性 81.41 72.68
女性 87.45 75.38
参考 平均寿命と健康寿命 厚生労働省HP
令和3年簡易生命表によると、60才の平均余命は、男性 24.02、女性 29.28、となっています。
現在60才であれば平均的に男性:84.02才、女性89.28才まで生きるということになります。
参考 主な年齢の平均余命 厚生労働省HPより
老後のリスクを極力避けるためには、この数字から換算して70才まで働いて、そのあとも健康な限りは働くという職業生活が考えられます。
※この計算には誤差がありますが、大まかな方向性を掴むうえで誤差を無視しました。
老いを実感した事例(個人情報保護の厳格化)
2010年ころの話ですが、個人情報保護、情報セキュリティに関する対応が毎年厳しくなっていました。
私が在籍していた子会社で、顧客情報を誤って第三者の民家にFAX送信してしまうという漏洩事故がありました。
私は個人情報保護委員会のメンバーでした。
現場の判断で、即座にご送信先に電話で謝罪して廃棄を依頼、漏洩させてしまった被害者にも謝罪、説明し、事の次第を監督官庁に報告する、という流れになっていました。
しかし個人情報保護委員会の他のメンバーから「その程度の対応でいいのか?」と異議が出ました。
個人情報保護委員会を緊急招集して話し合った結果、誤送信先を訪問して着信したFAX用紙を回収に行くことになりました。
50代の私の感覚では「そこまでしなくても…」と感じていましたが、40代のメンバーは「可能な限り誠実な対応をすべき」と受け止めていました。
すでに当時の私の感覚が古く、ズレていたことに気づき、世代交代の波が押し寄せていることを意識しはじめました。
老いを実感した事例(老眼による誤操作)
老いは確実に全員に訪れます。
「忘れた」を笑えるうちはまだよいのですが、仕事をするうえで大切なことを忘れるようなことがあると笑っていられなくなります。
外部の方との会議をうっかりミスで穴をあけてしまいました。「待っていたのに来られなかったので…」と言われると、申し訳なくてどうすればよいかわからなくなります。
カレンダー機能にスケジュールを入力する段階で、翌月の同日に入れていました。
出先でスケジュールが確定し、スマホからスケジュールを入力したので、老眼で月を間違ったのだと思われます。
それ以降、スケジュ-ルを何度も確認する癖がつき、高齢者が何度も確認する気持ちがわかるようになりました。
まとめ
老い、衰えには個人差がありますが、仕事への影響を抑えるためには、転身も選択肢ではないかと思います。
同じ環境で同じような仕事をしていると、新しいことが入ってこなくなり、老い、衰えは進行しやすくなります。
人生100年時代を生き抜くためには、われわれ50代、60代世代は人生の半ばです。
できないことが増えてきましたが、できることもまだまだたくさんあります。
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