私はこのブログを通じて、50代、60代の実年世代のみなさんに介護業界への転身をお勧めしています。
この記事では、介護支援専門員(以下ケアマネ)制度の変遷を中心に記します。
なお、「ケアマネの試験」は正式には「介護支援専門員実務研修受講試験」といいます。
ケアマネになるために必要な「研修」の「受講資格の有無」を「判定」する試験です。
便宜上、ここでは「ケアマネ試験」とします。
ケアマネは介護保険制度の肝
ケアマネ制度は、介護保険導入当初からの肝です。
介護保険制度も紆余曲折があり、大きく変化してきました。
ケアマネがケアプランを立てる。
ケアプランに基づいて介護サービスを提供する。
提供した介護サービスに応じて介護給付を受ける。
という基本路線は介護保険制度の導入当初から変わっていません。
ケアマネが介護保険制度の肝であることは変わらない事実です。
資格制度の改正
時代に合わせて介護保険制度は紆余曲折を繰り返して進化してきました。
たとえば、認知症の方の権利擁護、人権擁護も介護保険制度への変遷を語るうえで大切なテーマでした。
2000年の導入当初は「痴呆症」と称された疾病名も「認知症」に改められました。
これらの変遷に伴ってケアマネの知識をブラシュアップしなければ良い制度運営ができないことがわかってきました。
2006年の介護保険法改正で、ケアマネ資格は5年ごとの更新制となり、主任ケアマネ制度も導入されました。
受験資格の改正
たとえば、介護職の受験資格は、当初はヘルパー2級で介護業務に5年従事すれば受験資格がありました。
2018年からの制度変更で、介護職の場合は介護福祉士を取得してから介護業務に5年従事することが必要になりました。
これによって、ケアマネを目指す介護職は、まず介護福祉士を目指すことになりました。
介護福祉士の受験資格は、実務経験3年以上なので、介護職がケアマネになるには最短でも8年従事することが求められることになりました。
受講費用の負担
ケアマネ試験合格後の「実務研修受講」には費用負担もあります。
ケアマネの更新研修も費用負担があります。
くわえて、何日も研修に参加して考えて意見交換をするという負担もあります。
結局は、やる気をもってケアマネの仕事をやる人でなければ、資格の取得も維持も難しくなりました。
あと残った課題は、もう少しお手当てが上がったらなぁ、ということと思います。
現役ケアマネも上記の説明を大筋で同意いただけるのではないか思います。
不正の淘汰
ケアマネとサービス提供事業者が結託すれば不正製請求ができます。
介護保険制度当初はこのような事案が散見されました。
しかし介護保険制度の定着に合わせるかのように、ケアマネの不正は急激に減少しました。
行政当局がしっかり監視していることも事実です。
ケアマネ個々の職業倫理によるところも大きいと思います。
私が実務で接してきたケアマネは、まじめで献身的な方がほとんどでした。
どこか尊敬する面をお持ちの方がほとんどです。
ケアマネが不正請求をした、という話は聞かなくなりました。
この事実はケアマネの質の向上を証明していると思います。
まとめ
このように、介護保険制度導入から急激な市場の成長に追われてケアマネの制度も確立してきました。
介護保険制度の肝であるケアマネが成長することで介護業界も変わりました。
経験の長い人が職人気質を発揮する職場から脱却しました。
この20年で介護業界の景色はガラっとかわり働きやすい職場になっています。
これから先、AIがますます発達しようとも、人間が働く職場として残ることは間違いないようです。
50代、60代のみなさん、どうか、現代の制度で介護を学んで介護業界に来てください。
コメント