50代、60代の実年世代の方が、定年退職や早期退職などではじめて介護の職に就かれる際には、あらかじめ資格取得されることをお勧めします。
はじめて介護の職に就くにあたって、資格取得を通じて、介護業界の共通理念、体の使い方、気の使い方、対応技術などをあらかじめ知っておくほうが、スムーズに職場になじめます。
介護の世界は資格がものをいう世界でもあります。
資格の有無によって、一人前として独り立ちする時期も変わってきます。
ハロートレーニングの対象であれば、失業給付を受給しながら資格取得に取り組めます。
未退職でハロートレーニングの対象でなくても、教育訓練給付制度の対象であれば、現職のままでも資格取得の支援(給付)が受けられます。
転職の機会に、ぜひともできるだけ上位の資格を取得してください。
資格の優位性
そもそも、訪問介護以外の業態の介護職は、無資格でも就業できます。
ただし、採用する側は、資格保有者の採用を優先します。
やる気の尺度、安心感、同僚との協調、基本的な理念の理解、教える手間、など、あらゆる面から資格保有者が優位です。
採用される側(働き手)にとって一番大きいのは、資格手当です。
介護の仕事は個々の業績評価での所得格差は少なく、資格手当によって所得に差をつけていますので、資格取得費用は資格手当で早期回収が可能です。
また、資格取得のための講習で得た知識や技術は、自身の心身のストレス軽減にもなります。
転職によって余計なストレスを抱え込まないためにも、資格取得をお勧めします。
生活援助従事者研修
旧制度のホームヘルパー3級クラス。
受講資格 :特になし
受講時間 :59時間
受講期間 :1週間程度
資取得費用:3万円前後
資格手当 :設定がない事業所が多い
家事が得意な方が得意分野を生かして介護の仕事を始めるときに必要になる資格です。
要介護者の自宅を訪問して、炊事、洗濯、掃除などの生活支援を行います。
訪問介護事業所で生活援助には従事できますが、身体介護はできません。
よって、上位資格の介護職員初任者研修のほうが就労機会も広がり、就労後の担当業務の幅も広がります。
介護職員初任者研修
旧制度のホームヘルパー2級クラス。
受講資格 :特になし
受講時間 :130時間
受講期間 :1~2か月程度
資取得費用:5~10万、
資格手当 :3千円~5千円/月
訪問介護事業所で訪問介護員として就労できる資格です。
訪問介護での身体介護に加え、通所介護、介護施設でも身体介護にも従事できます。
あなたがハローワークのハロートレーニングの対象者であれば、自己負担15000円程度、1~2か月の受講で取得できます。
生活支援、身体介護など、介護全般に対応できる資格ではあるが、国家資格の介護福祉士を目指すときは、上位資格の実務者研修を修了する必要があります。
実務者研修
旧制度のホームヘルパー1級クラスであるが、現行の制度では本研修の修了が、介護福祉士受験資格の必須条件となっている。
受講資格 :特になし
受講時間 :450時間
受講期間 :6か月程度
資取得費用:10~20万(無資格の場合)
資格手当 :5千円~1万円/月
受講要件が特にないので、無資格未経験でも受講できます。
実務の最高位であるため、資格の信頼感が高く、修了していれば一人前として、独り立ちが早くなります。
訪問介護事業所のサービス提供責任者の就任資格要件にもなります。
たんの吸引や経官栄養の方法など医療的ケアを身に付けることもできます。
実務経験を3年積めば、国家資格である介護福祉士にチャレンジできる要件が揃います。
数ある介護系の資格の中で、ダントツでイチオシの資格です。
介護福祉士
国家資格、介護資格の最高位。
受講資格 :実務経験3年以上、実務者研修修了
資取得費用:受験費用15,300円+(合格後)登録免許税9,000円、登録手数料3,320円
資格手当 :1万円/月~
国家資格であるため、職場で指導者的な立場になります。
各法人や施設で、リーダー、主任などの監督職に就く際の要件としているケースがあります。
生活相談員の就任資格要件は、自治体ごとに違いますが、介護福祉士も認めているケースが多くあります。
生活相談員を採用するにあたって、未経験の社会福祉主事よりも、経験者の介護福祉士のほうが、実務に詳しい分、期待します。
まとめ
介護に関する資格は民間資格も含めるとかなりの数がありますが、ここでは厚生労働省が位置づけをしている資格を中心にご紹介しました。
50代、60代の実年世代の方が、定年退職や早期退職などではじめて介護の職に就かれる際には、ハロートレーニングで資格取得をおすすめします。
ハロートレーニングが利用できれば、費用負担も少なく受講できます。
未退職でハロートレーニングの対象でなくても、教育訓練給付制度の対象であれば、現職のままでも資格取得の支援(給付)が受けられます。
就業後の受講では、費用負担も心身への負担も大きくなります。
就業前の資格取得をお勧めします。
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