私が介護の世界に参入した2000年代前半は「介護の世界は女性の世界」といわれていました。
たしかに当時は9対1かそれ以上の割合で女性が多かったようです。
男性は肩身が狭い状態でした。
私が施設長に赴任した時も「介護の世界は女性の世界」と言われ、女性同士で解決するので、あまり踏み込んではいけないような申し送りがありました。
たしかに、それまで経験してきた職場(いわゆる男性社会)とは違う側面がありました。
自分なりにその理由を調べて納得して、施設の運営管理につなげてきました。
50代、60代の方がはじめて介護の仕事に就いたとき、戸惑うこともあろうかと思います。
そんな方のご参考になればと思います。
この記事(男女の性差)の注釈
この記事は学問的に一概に肯定されているものではない男女の性差に触れています。
個人の経験に基づく記事とご理解ください。
また、これは男女の優劣ではなく、男女には違いがある、という観点から記した経験談です。
2000年代半ばに(当時は今ほどネット上に情報が無かった)施設運営が、どうしてもうまくいかずに悩んだ時期がありました。
「介護の世界は女性の世界」と言われていたので、対処方法が知りたく、書店の書籍もよく目を通していました。
この記事では、いまとなっては出所のわからない情報も含めて記します。
科学的根拠が薄い側面もありますが、あくまでも個人的に自分を納得させた経験談としてご紹介します。
男女の性差① 男性脳と女性脳
男性と女性では脳の構造に違いがあると記した書籍がありました。
右脳は感性、左脳は論理をつかさどると言われます。
この右脳と左脳をつなぐ部分(脳梁)は女性の方が男性よりも大きいとされています。
右脳で感じたことを左脳に送って言葉にするスピードは、女性の方がはるかに早いと書かれていました。
「〇〇さんがかわいそうだ」という感性をすぐに言葉にできる女性、同じことを思ってもなかなか口に出せない男性の性差がある。
これは脳の構造からくるものだ。
男性が言葉にするスピードが遅いことによって、女性から不信感を買うケースがある、とされ、女性から見た男性の発言が「本心ではない」、「取り繕っている」、「嘘を考える間があった」などの誤解が生じやすい、とされていました。
たしかに女性と会話をしているときに言葉がスムーズに出てこなくて「なぜそんなに考えるのですか?」と聞かれた経験があります。
実体験として「頭の回転の速さが違う」と感じたことはありました。
女性の第六感は鋭い、といわれる由縁かもしれません。
男女の性差② 父性と母性
父性とは「父として持つ心や肉体などの性質」
母性とは「女性が持っている、母としての心や肉体などの特質」
旺文社国語辞典 第九版 より
父性として介護事業に取り組んでいると、介護の目的は稼ぐことになります。
母性として介護事業に取り組んでいると、介護の目的は人の生命を守ることになります。
管理者側には父性、現場には母性、という構図で常にジレンマを抱えていました。
「介護の世界は女性の世界」と言われていた時代はなおのこと、父性と母性が衝突するような場面が多々ありました。
男女の性差③ 男性心理と女性心理
女性と男性の心理で根本的な違いは、一つの卵子、多数の精子、という論理を記していた書籍もありました。
卵子は、受胎する精子を選びます。
一番にたどり着いた最も優れた精子を選びます。
女性は受精したら10か月体内で育て、生まれてからも母乳で育てるなど、種の保存への責任が重い。
その責任を全うするために、女性は優れた相手を求め、優れた相手を選ぶ、とうものでした。
「あれもこれもはできない、それは仕方がない」という男性社会と「やるべきことは絶対にやる」という女性の世界の違いという感覚で受け止めました。
「介護の世界は女性の世界」と言われていた時代は「妥協を許さない世界観」を表すという側面もありました。
まとめ
この記事では、学問的に一概に肯定されているものではない男女の違いを肯定的に触れています。
これはどちらかの優劣を示すものではありません。
また、男女の違いがあったとしても、それはあくまでも平均値の差であり絶対的な差でもありません。
外見と内面の不一致があったとしても、何らマイナス要因とはならないことを付記いたします。
別記事で具体的に失敗について触れますが、自分の経験談、失敗談をご紹介するためのものです。
50代、60代の方が他職種から介護の仕事に転身した際のお役に立てればと思い記しました。
コメント