コンプライアンスが声高に扱われている昨今、知らなかったでは済まされないこともたくさんあります。
また、知らなかったがために施設や上司に多大な迷惑をかけてしまうこともあります。
コンプライアンスとは法令順守にとどまらず、社会通念、モラルを守ることも含まれます。
それぞれに奥深い内容がありますが、施設のルールを変えたり、勝手な判断が法令違反になる恐れがあるということを知っていただきたく、ここでは広く関連法を羅列して紹介致します。
関連法規
- 憲法
・基本的人権の尊重
・思想の自由 - 会社法・社会福祉法人会計基準(社会福祉法)
・会社(法人)のお金は経営者個人のものではない(自由に使えない)
・それぞれの役職の役割、職務権限はきまっている。 - 民法
・利用契約の保証限度額の設定 - 介護保険法
・人員基準、サービス提供義務など
・施設・設備に関する基準
・身体拘束の禁止
(例外)緊急やむを得ない場合を除く = 切迫性、非代替性、一時性の3要件を満たすこと - 老人福祉法
・たとえば改善命令、業務停止命令
・職員の欠格事由の定め - 医師法
・医療行為と介護の線引き - 個人情報保護法
・個人情報の目的外使用の禁止
・個人情報保護は大切ですが、生命の安全が優先します。 - 高齢者虐待防止法
・虐待の5つの類型
身体的虐待、心理的虐待、性的虐待、経済的虐待、介護・世話の放棄・放任
・暴言、無視も虐待にあたる
・通報義務がある - 労働基準法
・就業規則の制定、周知の義務 - ・シフト勤務は月単位の変形労働時間制を採用している
労働安全衛生法
・衛生委員会の定期開催
・労働者の安全配慮義務 - 食品衛生法
・調理師・(管理)栄養士等の資格を保持
・食品衛生責任者を養成するための講習会を受講 - 健康増進法
・(管理)栄養士の配置
・栄養管理の実施 - 消防法
・年2回の避難訓練
・消防設備の定期点検と報告 - 廃棄物処理法
・介護事業者が排出するごみは事業系廃棄物
・家庭用ごみ(税金で処理)と違って別途廃棄費用が掛かる - 水防法・土砂災害防止法
・避難計画の作成
・避難訓練の実施 - 理容師法
・介護で顔そりは許されるか? → 自治体によって判断が異なるので要確認 - 暴力団対策法
・経営者、職員、利用者、家族、取引先も反社会的勢力との関係を一切遮断する。 - 社会福祉士及び介護福祉士法
・人員の適格に関する規定
(例)代表者及び有料老人ホームの運営を所掌する役員に関する規定 - 都市計画法
・建築時の開発許可 - 建築基準法
・耐火建築物、耐火建築物の規定
・スプリンクラーの設置義務
・個室の定義 - 借地借家法
・入居者との入居契約
・賃料改定の方法 - 高齢者の居住の安定確保に関する法律
・賃貸借契約の内容について - 感染症法
・感染症まん延防止措置 - 公衆衛生法
・浴室の衛生管理
まとめ
上記に関連する法律を羅列しましたが、ほんの一部にすぎません。
実際にはもっとたくさんの法律、省令、通知、厚労省のQ&A、所管する自治体の通知など多くの規定に沿って運営されています。
我々実年世代は、これまで社会で生きてきたという自負もあり、ご利用者やご家族から何か聞かれたら社会通念に沿って判断しがちです。
しかし、施設のルールを変更したり、経験が浅いのに勝手な判断をすると、やけどを負うリスクがあります。
介護業界はこれまで経験してきた職種と違うことを常に頭において、必ず上司、先輩に相談して職務にあたるよう、ご留意ください。
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