ビジネスで歓迎されない50代、60代
ふと気が付くと阪神タイガースのスタメンが子世代よりも年下になりました。
気を使われて居場所がなくなるのが、われわれ50代、60代の実年世代です。
そして、ますます衰えるのが、われわれ50代、60代の実年世代です。
避けて通れないので、目をそむけないで一緒に現実を見ましょう。
これからますます若い人に勝る分野が減っていきます。
加えてAIがビジネスシーンで活躍し始めています。
ふと気が付くと50代、60代はビジネスシーンで歓迎されなくなりました。
50代、60代の武器は傾聴力
50代、60代には相応の風貌、顔があります。
他人から見てもその風貌はだいたいの年齢が推定できます。
また、50代、60代には人生経験があります。
初対面の他人でも、それ相応の人生経験を積まれていることがわかります。
これら風貌と人生経験が、傾聴では武器になります。
傾聴がなぜ必要なのか?
介護の仕事でも傾聴が必要といわれますが、なぜでしょうか。
AIに聞いてみました。
AIによると「介護の仕事でも傾聴が必要と言われる理由は、利用者さんの心の負担を軽くしたり、信頼関係を築いたりするためです。傾聴は、利用者さんの話を深く聞き、それに丁寧に共感することです」とのことです。
介護業界の方は「AIに聞くまでもない」と思われることでしょう。
AIを試した、と言うと語弊がありますが「AIにこのように言わせたかった」という気持ちです。
ここで注意したいのは、現時点ではAIの回答はAIが考えた意見ではなく、ネット上にある人間が発信した情報をもとに構成されているという点です。
後に事実と違っていた時にAIに「あの時こう言ったじゃないか」と思ったところでそこに実態は無いので、AIの見解は「いつまでも同じ見解ではないかもしれない」という点をご理解ください。
傾聴とは?
傾聴については米国の心理学者でカウンセリングの大家であるロジャーズが提唱した「ロジャーズの3原則」が有名でスタンダードになっています。
ロジャーズの3原則
- 共感的理解 (empathy, empathic understanding)
相手の話を、相手の立場に立って、相手の気持ちに共感しながら理解しようとする。 - 無条件の肯定的関心 (unconditional positive regard)
相手の話を善悪の評価、好き嫌いの評価を入れずに聴く。相手の話を否定せず、なぜそのように考えるようになったのか、その背景に肯定的な関心を持って聴く。そのことによって、話し手は安心して話ができる。 - 自己一致 (congruence)
聴き手が相手に対しても自分に対しても真摯な態度で、話が分かりにくい時は分かりにくいことを伝え、真意を確認する。
分からないことをそのままにしておくことは、自己一致に反する。
傾聴のポイント
- 相談環境を整える
心に余裕を持って臨める時間を設定する - 非言語的メッセージを意識する
表情や視線、姿勢、動作、声など、非言語的メッセージによって積極的な関心が向けられることを表現する - うなずきやあいづちを返す
自然で落ち着いたテンポやタイミングで、心のこもったうなずきやあいづちを返してもらえるだけで、聴いてもらえていると感じやすく、次の言葉が出てきやすくなります。 - 最後まで聴いた上で、理解したことを伝えて確認する
話が一段落したところで、「あなたの話を……と理解したけど、合っていますか?」など、確認して、すれ違ったまま終わることを避けます。 - 誠意をもって対応する
本当に話したいことが共有できたということが確認できたら、今後の対応について相談し、誠意をもって対応しましょう。
(参考)話を「聴く」~積極的傾聴とは~ 厚生労働省HPより抜粋引用
まとめ
これらのことから言えることは、高齢者の話の「傾聴」は、AIではできないこと。
「傾聴」で効果を上げることは、人にしかできない、ということがわかります。
加えて、私の経験では傾聴する人が若い世代でも「もの足りなさ」を感じてしまわれます。
それなりの努力が必要ですが、50代、60代は入り口地点で、AIよりも若い人よりも優位です。
50代、60代は介護サービスを受けている高齢者の「子世代」にあたります。
「老いては子に従え」と言われるように「子世代」を頼りにされます。
高齢者にとってわれわれ世代の風貌だけで、頼りがいと安心を感じられます。
顔を見ただけで「あなたなら安心ね」と言われ、入り口時点で優位になっています。
あまり歓迎されることが無いわれわれ50代、60代が歓迎されます。
これから50代、60代が仕事を失わないためには「傾聴」が武器になります。
傾聴を必要とする介護業界への転身をお勧めします。
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