我々実年世代は少年誌の影響で、超常現象ありきで育ちました。
また、理系のはしくれとして、超常現象を「非科学的」という意見には違和感があります。
科学は実験を繰り返して理論を組み立てるもので、理論が先ではなく事実が先で、事実に基づいて理論を後づけするのが科学です。
事実を積み重ねたものが科学だから、(超常現象が事実なら)事実を否定することは科学ではない、というスタンスです。
介護施設でスタッフから超常現象の相談があった
介護施設は一般的に何人もの方が施設内で他界されています。
超常現象が起こるという噂が立つ素地は常に持ち合わせています。
「超常現象が見える」というスタッフから、私に相談がありました。
私が責任者の立場で超常現象の存在を認めると他のスタッフも怖がって夜勤ができなくなる。
「そんなものはない」と否定すると「怖い気持ちを理解してもらえない」となっておそらく複数の離職者が出る。
何が正解かわかりませんがこれしかないと思いました。
「もし超常現象を見かけたらすぐに私を呼んでください。いついかなる時でも来ます」
「来てどうするんですか?」
「ここには来ないように、帰ってもらうように話し合います」
「それで帰ってくれますか?」
「やってみないとわかりません。やってみます」
「…」
結局、呼び出されることはありませんでした。
でもこのスタッフが嘘をついていたとは思っていません。
私の超常現象体験
超常現象と言えるかどうか、私自身もこんな経験があります。
休んだスタッフのかわりに夜勤に入ることはよくあります。
その日も夜勤に入って巡視のために廊下を歩いていました。
誰かが私の前を素早く横切りました。
居室から出ていそいでトイレに行ったのかと思いましたが、それにしてはスピードが速かったのでおかしいなと思いトイレを覗きましたが誰もいませんでした。
目が合ったわけではないので「錯覚だ」と自分に言い聞かせました。
そのフロアでは数日前に就寝中に他界された方がありました。
また、夜勤中に、空き部屋で仮眠していたときのことです。
枕元に誰かが立つ気配で目が覚めました。
驚いて目を開けると、誰もいませんでした。
あきらかな気配を感じたので、誰もいないことに強い違和感を感じました。
この日は2回同じことがありました。
その居室は他界された方の居室で、一時的に空室になっていたものでした。
この2つのエピソードは自分の中ではあきらかに超常現象で、まさに背筋が凍りつきました。
私がスタッフなら必ず誰かに「こんなことがあった」と相談して、超常現象のうわさになっていたことでしょう。
施設責任者である私は、施設運営に支障が出かねないようなことなので、誰にも言いませんでした。
介護施設での超常現象への対応
超常現象の話は会話としては興味を引く話題ですが、施設を管理する立場からすれば、そういう話題は就業に対してネガティブに働き、施設運営に支障が出かねない案件です。
スタッフがそういう話をしていても、コミュニケーションが大事だからと言って安易に会話の輪にはいると立ち位置が難しくなります。
肯定せず否定せず「何かあったら言ってください」という姿勢で鈍感な人を演じることにしています。
やっぱり年配者は怖くないんだ、頼りになるなぁ、と思っていただけたら施設運営にプラスに働くのですが、やってみないとわかりません。
まとめ
私の超常現象に対するスタンスは先に述べた通り否定はしませんが、ただ、そのほとんどは、錯覚、勘違い、夢などによるものと考えています。
超常現象の噂は施設運営に大きな支障となりますので、肯定も否定もせずに噂を沈静化する方法をしっかりと考えて模索する必要があります。
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