管理監督職経験2(50代、60代の転職)介護未経験で管理職応募⑩

これまでの経験が活かせる
モハ181_車内

50代、60代の実年世代で定年退職や早期退職などで介護業界に転職し、管理職を目指される方に向けてこれまでの実務経験の活かし方を記します。

他業種からの転身でも、管理監督職の経験があれば、その経験は生かせます。



おそらく募集している施設で、現場に即した導入研修もあろうことと思いますが、介護事業に関する勉強は継続してください。

なお、有料老人ホームの施設長は、管理者、ホーム長などと呼ばれるケースもあります。

現実には細部で違いがありますが、ここでは便宜上、同じ職種としてまとめて、呼称は「施設長」に統一させていただきます。

介護現場の経験が必要か?

結論から言えば、介護現場の経験がなくても施設長の仕事はできます。

50代60代の実年世代の方は、他職種での経験を生かして、その強みを発揮することできれば、施設長の仕事はできますが、初任者研修か実務者研修の修了をお勧めします。

介護研修1

私自身も現場経験なしで施設長に就任しました。

通算13年余りの介護業界経験のうち、最初の7年は現場経験(身体介護経験)の無い管理職でした。

現場経験がないメリットは、施設の全体像が見渡せる、施設の管理業務に専念できる、などがあります。

同じくデメリットは、現場の職員から「現場の苦労を知らない人」と思われてしまって協力が得られにくい面もあります。

組織作り

組織作りのポイントを記します。

・組織の指揮命令系統をしっかりと堅持する

・正確な情報は組織を通じてのみ伝達する(個人に情報をリークしない)


話し合いをする男女の介護職と施設長

これらのことが働きやすい職場づくりとなって、人材の確保に大いに寄与します。

介護の職場では個人の資質に依存する傾向があります。

介護技術は相手によっても日によっても変わるという特殊性があり、個人の資質(慣れた職員)に仕事が集中しがちで、新人や新卒にとって入り込みにくい面もあります。

新たに新人や新卒を採用するにあたって、組織が有効に機能していることが望ましいのは言うまでもありません。

適しているリーダーシップの型

介護未経験で施設長や管理職として赴任する場合に適したリーダーシップの類型は委任型(放任型)です。

施設長や管理職として赴任すると、直属の部下は主任やリーダークラスになります。

直属の部下は、介護に関してはそれなりの知識、経験、能力を持ち合わせています。

胸を叩いている女性

これらの職員のやる気を育てるためにも、委任型(放任型)をお勧めします。

リーダーシップにはいくつかの類型があります。(後述)

50代、60代の実年世代で管理監督職の経験があれば、自然と使い分けをされてきたことと思います。

介護の現場は専門家集団なので、委任型(放任型)を基本として意識するのが良いと考えます。

介護の職場では、指示型のリーダーシップを専門とする施設長が多く、委任型(放任型)の施設長や管理職は理解されにくいかもしれません。

場合によっては、自分の方針としてリーダーシップの類型と、部下を信頼しているという心情を説明するのも良いかと思います。

リーダーシップの類型

指示型(専制型)

目標達成に重点をおき、自分が陣頭に立って具体的な命令を与え、部下の行動を強く監督、統制する。

部下が不慣れな場合、部下の業務知識・経験が不十分な場合、部下の意欲が必ずしも高くない場合など「成熟の程度が低い状況」で発揮すべきリーダーシップの型。

命令している人

介護の現場ではよく見受けられるリーダーシップの型です。

災害(警報発令)や急病などの非常時は、施設長か管理職が陣頭指揮をとって指示命令を行うようにしています。

相互交渉型(統合型)

人と仕事の両面に配慮しながら、最も効率的に組織目標を達成しようという型。

部下の成熟度がある程度高い場合に適している。

チームワーク_外向き

介護の現場では、リーダークラスが平時に職員をまとめるときに適していると考えます。

相談型(温情型)

自分と部下との関係を重視し、常に快適で友好的な関係を維持しようと努力する。

意思決定では部下に参画させるなど部下の努力を促し、統制よりは援助的な行為を取る型。

チームワーク_内向き

部下の成熟度がかなり高い場合、高い能力、意欲がある場合に適している。

介護の現場での例として、介護保険法の改訂などがあると、まず改定内容を施設長なり管理職が理解して、現場に落とし込む際に主任やリーダーに相談する、というケースがあります。

委任型(放任型)

部下に対して具体的な指示や働きかけはせず、部下に一任する。

極端な場合には任せきりにする。

チームワーク_飛び出す

部下の成熟度が最高レベルで、高度の技能を備えて自己統制ができている場合で、いわゆる専門家集団に適している型。

介護未経験で介護施設の施設長や管理職に就いた場合に適しています。

まとめ

他業種からの転身でも、管理監督職の経験があれば、その経験は生かせます。

介護現場の経験がなくても施設長の仕事はできますが、初任者研修か実務者研修の修了をお勧めします。


カラフルな四人組のシルエット

前職までの経験を生かして、理想の組織の姿を描いてそれに近づけることで、自分なりの施設長、管理職を目指してください。

組織作りについてはもう少し別記事でも触れます。

おそらく理想の姿に到達することはないと思いますが、施設長候補からはじめて3年くらい在籍していれば人心がついてくるようになります。

介護業界は他業種からの視点に大いに期待するところがあります。

この記事を参考にして、実直に勤めてください。

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