私が見た高齢者のあるあるを記します。
高齢者のあるあるに潜む事故リスクをとらえ、事故を未然に防止できれば、それが良いケアにつながります。
待つのが苦手
「何もすることがない」と寂しそうにされても、することがあるとそのことばかりを考えてプレッシャーを感じられます。
施設では理美容の日があり、月に何度か理美容師が来られます。
ご本人かご家族にお申込みいただいて髪をカットするという流れになります。
「午後から散髪がありますから、順番が来たらお呼びしますね」というと、昼食後からずっと待っておられる。
用事があるということで、落ち着かないご様子。
1時間以上居室の外の公共の場の椅子に座ってずっと待っておられる。
「遅いなぁ」といわれる。
「順番が来たらお声掛けしますから…」と言ってもずっと待っておられる。
一日に一つしか予定が無くても、その予定が気になりすぎるため、一日に二つ予定が入ると「忙しすぎる」という感想になります。
待たれるのが苦手
人を待たせると申し訳ないと思われる。
動作が遅くなっておられて、人を待たせることが多くなっていると思われる。
待たせてはいけないと、必要以上に気にして焦られるため、デイサービスのお迎えに行った時に靴をちゃんと履かずに出てこられる。
転倒の危険があるので、もう一度座っていただいて靴を履きなおす。
目の前で転倒されると、色々と大変なことがあるので、介護職としては思いやりとともに、面倒を避けるためにも、とにかく転倒を防ぎたいという意識が働きます。
こちらが待っていることが伝わると、焦って転倒などの事故につながります。
高齢者には「時間はあるので、ゆっくりでいいですよ」という声掛けをするように心がけています。
若い時の運動感覚が残っている
デイサービスで朝お迎えに行き、何人かが同じ車に乗っていただきます。
施設に到着するとお一人ずつ降りていただいて施設内にご案内するのですが、中にはご案内が待てずに、自分で勝手に車から降りようとされる方があります。
車から降りるのは若い時には何でもないことだったのでしょうが、要介護高齢者が車から降りるときには転倒転落の危険が潜んでいます。
前述の通り転倒転落などの事故は何としても開けたいので、勝手に動くリスクが大きい人から降りていただくなど、きめ細かな対応をします。
洋服をほめると喜ばれる
当たり前のことかもしれませんが、洋服のデザインをほめると喜ばれます。
あまりほめ過ぎると、あそこで売ってる、いくらぐらいで買った、と教えてくださるのですが、こちらが同じものを購入することを期待される場合があります。
気に入ったのなら買えばいい、買ってきてあげようか?
人のために何かをするとか、人に喜ばれることをしたいというお気持ちが常にありますが、仕事で関わってるので、服を買っていただいてはいけません(違法です)。
上手にかわすようにしてください。
「いや、それは叱られますから…」とストレートに伝えるものよいと思います。
万一買ってこられてしまったら、どうするか、どういう対処方法があるか、いろんな方々と相談しなければならなくなります。
合意を形成するための調整が生じて、何人かに謝らなければならなくなりますので、洋服をほめると喜ばれますが、その先の展開には気をつけましょう。
まとめ
高齢者は予測できない行動に出ます。
理由がない突発的な場合もありますが、あらかじめ予測できるケースもあります。
高齢者のあるあると知って予測して対処すれば、防げる事故もあります。
事故予防の観点からも、高齢者のあるあるを知っておきましょう。
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