有料老人ホームの施設長時代のお正月(良いケアの創造)

経験談(雑談)
梅2鉢

私が勤めていた介護付き有料老人ホームは、要介護認定を受けていない方(健常者)もおられました。

年末年始はできるだけたくさんの方とかかわりを持とうと様々な計画を立てて取り組んでいました。

残念ながら、これで施設や自分の収入がアップするわけでもなく、介護保険の加算がつくわけではないので、ただのサービスでした。

紅白歌合戦

大みそかの夜は、入居者と一緒に紅白歌合戦、ゆく年くる年を見る会を企画していました。

私がみなさんに声掛けをするので、数名の方が義理で出席してくださっていました。


2000年代半ばでしたが「紅白歌合戦はいまはもう若い人向けになったよ」と言われてあまり乗り気でなかったご様子でした。

「若い人向けでもないけどなぁ」と思いながら、世間話をしながら一緒に観ていました。

高齢者の方は夜9時には自室に帰られるので、そのあとは一人で施設のラウンジで新年を迎えていました。

施設長として初詣

新年が明けると、一旦帰って自転車で神社に初詣に行きます。

結界を張るわけではないのですが施設を囲むように4か所の神社に参り、施設入居者、働くスタッフの無事を祈念します。


最後に一番大きな神社に行って破魔矢を授かります。


お正月なので、一番大きな神社では地域の催しで子供神楽を披露されていました。

一旦施設に戻って破魔矢を飾ります。

特に信仰心からそうしていたわけではなく、スタッフに心強く感じてもらえればと考えていました。

そうこうして帰宅すると午前3時を過ぎていますので、少し寝ます。

初出

あさ、6時前に起きて身支度をします。

7時過ぎには初日の出がありますので、7時前から施設の屋上でスタンバイして初日の出の写真を撮ります。

そして写真にコメントを添えて、急いでプリントして各階に掲示します。


入居者のみなさんからは「きれいな初日の出ね」、「寒くて見られなかったけど、こうして見られるとありがたいわ」など口々に喜びの言葉をいただきました。

入所者の中には、その写真に手を合わせておられる方もありました。

着物であいさつ

朝食の配膳前が7:30から開始されるので、遅れないように着物に着替えます。

朝食がはじまる頃を見計らって着物姿で入居者の方にあいさつに回ります。

お雑煮をお出ししているところへ「あけましておめでとうございます」と着物姿でごあいさつに回ります。

着物を持っていることを見てほしいわけではなく、
お正月のディスプレイとして着物姿を選びました。

初詣ツアー

食事どきのあいさつが一段落したら大型の車で順次初詣にご案内します。

あらかじめ下見していた神社にできるだけ全員の方が3が日の間に初詣に行けるように計画していました。

おせち

昼食は施設でおせちが出ます。

個人ごとのお膳ですが、鯛、海老、昆布巻き、黒豆など品数多くお出ししていました。

もちろん、個別の嚥下状態に合わせて、キザミ食、ミキサー食にも対応していました。

まとめ

ご高齢者にとってお正月は特別な日なので、特別感を演出しました。

反面、寂しさを感じやすい時期でもありますので、施設でみんなでお正月を迎えたということを実感していただこうという狙いもありました。

施設長がサービス精神を前面に出すと、スタッフがそれにならってついてきてくれます。

そういうところからケアの質の向上は始まるものだと思います。


異業種からの参入を考えておられる実年世代のみなさまに、お正月の対応次第でケアの質の向上に役立つことと考えご紹介しました。

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