スタッフのスキルアップ(従業員満足06)施設長の仕事08

施設長の仕事
イルミネーション005(御堂筋)

50代、60代の実年世代で定年退職や早期退職などで介護業界に転職し、管理職を目指される方に向けて「老人ホーム施設長(ホーム長)の仕事」をいくつかの記事に分けて解説いたします。

施設長(ホーム長)の役割は、成果を出すための組織作り、ということに集約されます。

この役割を果たすために、施設長(ホーム長)が重視すべき課題がいくつかあります。

大きく分けるとその対象は、顧客満足、従業員満足、経営満足、の3点です。

利用者を大切にする、スタッフの力を最大限引き出す、経営改善に寄与する、などの施策を繰り返すことになります。

なお、この記事では「老人ホーム」という一般的な呼称で「介護付き有料老人ホーム」、「住宅型有料老人ホーム」、「サービス付き高齢者向け住宅」、「特別養護老人ホーム」を含むものとします。

それぞれの業態に共通する事項を扱うようにいたしますが、一部の業態や役割分担によっては対象外になることもあるかもしれませんので、あらかじめご了承をお願いいたします。

ここでは、スタッフの力を最大限に引き出すためのスキルアップについて触れます。

介護職は組織に依存せず、職種に依存します。


仕事を通じて自分のスキルアップ(職業能力を高める)ことができる職場を好む傾向があります。

研修制度(法定)

法律や制度で毎年研修の実施が義務付けられています。

歴史のある施設であれば、その道のプロのような方が教えてくださいます。

しかしながら、他職種からの転身で施設長に就く場合は、歴史の浅い施設になるケースが多いと思われます。

法廷研修の種類だけでも数が多いので、閉口してしまうかもしれません。

それでもネットで調べることで公的な機関から発信されている有用な情報に出会えます。

歴史のある施設には経験面でかないませんが、最新の情報を収集して研修に活用するのは歴史の浅い施設にもできます。

スタッフに「研修のレベルが低い」と思われたら勤労意欲が低下します。

公的機関の最新情報をもって研修を実施しましょう。

<参考となる資料の事例> 
知っておきたい認知症の基本
高齢者施設等における感染対策
高齢者虐待防止に資する研修・検証資料等
介護施設・事業所における業務継続計画(BCP)作成支援に関する研修
厚生労働分野における個人情報の適切な取扱いのためのガイドライン等
介護予防

研修制度(法定外)

介護技術に関する研修、個別のケアに関する研修を実施してほしい、などの相談も受けることがあります。

適任の人材がいなくて、自分で指導できなくても、ネット上の動画を検索することはできます。

「床からの起き上がり」、「床から車いす」、「認知症対応」、「易怒性(いどせい)」などで検索すると、数多くの動画がアップされています。

相談内容にピッタリ当てはまらなくても、複数の動画を現場スタッフと一緒に見ることで解決の糸口が見つかります。

そのような取り組みでも、問題が解決できれば、スタッフのやる気につながります。

外部研修の受講

自治体が実施する認知症介護研修/ユニットケア研修

研修によっては受講者の配置基準が設定されている研修があります。

施設の管理部門で把握していると思います。

計画的に人材を育成して受講させることが望ましいと言えます。

社会福祉協議会が実施する研修・勉強会

無料もしくは安価で有意義な研修が数多くあります。

他職種からの転身で理論を学びたいのであれば、積極的な受講をお勧めします。

近隣の病院が実施する研修・勉強会

不定期なのでホームページや院内掲示などで開催情報を収集します。

名刺交換などで地域連携室と顔つなぎができれば、メールで案内をいただけたりします。

病院との関係づくりにも有効なのでスタッフに受講を勧めてみてはいかがでしょうか。

まとめ

このようにスタッフがスキルアップすることに興味をもって情報を収集すると様々な手段があることがわかります。

介護スタッフはまじめに仕事に取り組んでいれば、スキルアップへの関心は深まります。

スキルアップを目指して質の良いスタッフが定着すれば、活気のある職場になります。

さらに介護福祉士などの資格試験の合格者が出てくれば、ケアの質も顧客満足も向上するという良循環が生まれます。


やる気のあるスタッフにとって、居心地がいい職場を作ることも施設長の役割です。

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