50代、60代の実年世代とAIとの共生を目指して、私自身の介護業界での経験を踏まえて「非言語コミュニケーションは人間の得意分野」というテーマで記します。
はじめに
おそらく、パソコンが職場に導入されたと同じくらいの衝撃的変化がAIによってもたらされます。
われわれ50代、60代の実年世代は、職場にパソコンが導入され、ワープロソフト、表計算、インターネット、電子メールの導入を目の当たりにしてきました。
いわゆるOA(office automation)で、なにもかもがOA化によって変わってしまいました。
先輩の中にはついてこられない方もあり、メール操作やネット検索もできない方がおられました。
80年代の終わりころにワープロが職場に入り、90年代にパソコンにとって代わり、表計算や電子メールが仕事で利用され始めたのは90年代の後半かと思います。
その後、プレゼン資料作成、業務報告もパソコンになり、社内の規則なども電子書面化されたのは2000年代だったと思います。
パソコンの進化に沿って如何にパソコンを使いこなすかが、仕事の成否に直結していました。
その間の約20年で仕事の進め方や常識も大きく変わりました。
AIは自動的に学習して自動的に進化しますので、パソコンの導入とは比較にならないスピードで進化し、浸透することでしょう。
われわれ50代、60代の実年世代はどうすればよいのでしょうか。
このブログでは介護業界への転身をお勧めしています。
今後は50代、60代がAIと共に生きることを考え「AIとの共生(WITH AI)」の観点からも記します。
なお、ONEN AI社のチャットGPT(ChatGPT)やチャットボット(chatbot)が有名ですが、google社はBard、Microsoft社はBingAI、Meta AI社はLLaMAなど、様々な会社が対話型AIを公開しています。
この記事では一般名詞の「対話型AI」(もしくは「チャットAI」)と表現します。
「言語的コミュニケーション」と「非言語的コミュニケーション」
コミュニケーションは大きく「言語的コミュニケーション」と「非言語的コミュニケーション」の2種類に分けることができます。
「言語的」とは、文字通り話し言葉によるコミュニケーションを指し、「非言語的」とは、ジェスチャー(身振り手振り)、姿勢、動き(うなずきや振る舞い全般)、表情、声のトーン(強弱や早さ、間)などのことを指します。
人が話す時に、相手に与える印象はボディランゲージからが55%、声のトーンからが38%、言葉そのものからは7%しかないのです。
もちろん、時と場合で数字そのものの真偽はあるでしょう。
しかし、相手に与える情報量は「非言語的コミュニケーション」の割合がかなりの部分を占めるのは確かなようです。
WAN NETより抜粋引用
第8回: 非言語的コミュニケーションの力 (wam.go.jp)
AIに聞いてみた
AIは言語的コミュニケーションと非言語的コミュニケーションのどちらが得意か、AI(対話型AI)に聞いてみました。
AIの回答は「AIは言語的コミュニケーションと非言語的コミュニケーションの両方において、高いレベルの技術を持っています。
しかし、言語的コミュニケーションは非言語的コミュニケーションよりも、より明確で正確な情報伝達が可能です。また、言語的コミュニケーションは非言語的コミュニケーションよりも、より多様で豊富な表現が可能です。
したがって、AIは言語的コミュニケーションのほうが得意だと考えてよいかもしれません。(後略)」というものでした。
ここで注意したいのは、現時点ではAIの回答はAIが考えた意見ではなく、ネット上にある人間が発信した情報をもとに構成されているという点です。
後に事実と違っていた時にAIに「あの時こう言ったじゃないか」と思ったところでそこに実態は無いので、AIの見解は「いつまでも同じ見解ではないかもしれない」という点をご理解ください。
AIの学習方法
いま急激に発展している対話型AIはコンピュータネットワークの中にある情報を自動学習しています。
AIは人に教わることなくネットワーク上で自動学習が可能なので、猛スピードでどんどん進化します。
対話型AIは対話することで学習した情報を文字で再構成して人間に伝えています。
AIから人へ伝える手段
AIからすれば人の伝えるのは面倒だと思います。
人間の入力装置は、目、耳などのため、AIも画面、スピーカなどが必要です。
AIが情報収集、判断、回答を生成する以上に人間に伝えるために使うエネルギーもスペースも大きいものです。
もし画面やスピーカが必要なければ、もっと小さく、もっと省電力になるでしょう。
AIにとっては人間に伝えることが、一番手間がかかって厄介なことなのだと思います。
非言語的コミュニケーションへの対応はまだ先になる
非言語的コミュニケーションで重要な役割を果たす「人間の表情」について考えます。
AIには感情が無いことを前提としますが、センサーやカメラで相手の感情を理解して、AIも自分の感情を疑似的に作り出すことは技術的には可能かもしれません。
ひとつの例ですが、表情をつくれるロボットの少しぎこちない表情をテレビで見たことがありますが、そのロボットの表情筋は17個とされています。
しかしながら、人間の表情筋は約60種類あるといわれます。
AIが作り出した疑似的な感情を表情で再現するためには、まだまだ精度の向上が必要です。
そしてこの精度向上は「モノ作り」となるので人の手が必要です。
AIの知能部分のように自動的に進化できないので、「モノ作り」の開発スピードはAIの進化スピードよりもかなり遅れます。
つまり、AIが高齢者の辛い気持ちに共感する感情を作り出しても、表情で表現できないので非言語コミュニケーションが苦手、ということになります。
まとめ
対話型AIの出現、オフィスソフトへの組み込みが進むことで、これまで人間がやってきた仕事のかなりの部分がAIにとって代わるといわれます。
前述のように、AI自動的に学習するのでパソコン導入期よりも、もっと速いスピードで導入が進みます。
AIの進化スピードは人が追い付けないので、開発にブレーキをかけるという動きさえあります。
われわれ50代、60代の実年世代は、能力のピークを過ぎています。
職を失わないためには、AIの参入が遅れる分野に転身することも一つの選択肢ではないでしょうか。
介護業界は、非言語的コミュニケーションが絶対欠かせない業界です。
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