介護のホスピタリティに欠かせない礼節7要素(施設長経験より)

豆知識(雑談)
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50代、60代の実年世代で定年退職や早期退職などで介護業界に転職し、介護職を目指される方に向けて介護の仕事を紹介します。

この記事ではこれまでの施設長の経験を踏まえて「介護のホスピタリティに欠かせない礼節」を紹介します。

礼節とは

礼節とは、「礼儀作法。礼儀と節度。」

礼儀とは、「社会の慣習による敬意の表し方。礼の作法。」

節度とは、「言葉や行動などの、ゆきすぎのないちょうどよい程度。」

とあります。(旺文社 国語辞典 第九版)

つまり、言葉や行いで敬意を表現するものです。

礼節7要素(経験談)

施設長として経験した礼節を表現する7要素(経験談)を紹介します。

笑顔

私の経験の中で、声掛けがうまくホピタリティが優れている人はいます。

すごくいい笑顔で「〇〇さん、△△しましょうか」と声掛けをすると、〇〇さんは思わず動いてしまいます。

最初の「〇〇さん」と呼びかけたときに、相手の利用者がこちらを見て目が合うまで待ちます。

その視線を優しい笑顔で迎えます。

続けて絶妙のタイミングで「△△しましょうか」と続けます。

〇〇さんは能動的に動き始めます。

相手のやる気を引き出す声のトーン、表情、タイミング、言葉のチョイス、これらの天性の勘を持っているのだと思います。

笑顔は最高のおもてなしです。

言葉づかい

自分が年を重ねるとわかることもあります。

年を重ねることでできなくなったことを若い人に頼むと、どうしても若い人はプチ上から目線になります。

自分が40代の時は、若い人にこういう言われ方はしなかったなぁ、そう思うこともあります。

それを悔しいと思う人、悲しむ人、どういう感情につながるかはさまざまですが、そう思うことはあるでしょう。

介護保険サービスの理念「尊厳を守る」を実践するうえで、最も形に現れるのが言葉づかいです。

身だしなみ

私自身は無頓着で介護職員にも時々注意され、あまり力説できる立場ではないのですが、身だしなみも礼節の一つです。

私の場合は普段も無頓着なのでご容赦ください。

普段は気遣うのに仕事中は、衣服のしわ、汚れなどが平気な介護職員がいます。

どうせ相手は高齢者だからわからないだろう、高齢者に接するときは身だしなみを整える必要なない、このような考えの方は残念です。

相手と接する仕事なので、たばこの匂い、ヒゲ(顎や頬の髭はそる)、爪(伸ばさない)、ヘアスタイル(ショートか束ねる)、服装(しわ、汚れに注意)も心得たい身だしなみの留意点です。

独特のシャツ 余談ですが…

シャツに記載の文言やデザインが独特で、強烈な印象がある服装の介護職員もいます。

職場によっては是非があるかもしれませんが、コミュニケーションツールになるなら私はおおいに是としたいと思います。

マナー

たとえば、排泄の話を大声ですることは控えましょう。

時には食事時でも大声で便の話をしている人を見かけます。

都度注意をしますが、友人との会食なら避けるような話題は、相手が高齢者でも避けるのが当たり前です。

以前に勤めていた職場では隠語で便を「B」と言い、尿を「C」と言い換えていました。

なかなか気の利く職場だと感心しました。

お辞儀の作法

お辞儀の角度にもルールがあります。

軽く一礼をする会釈は15度、

何かを承るとき敬礼は30度、

謝罪などの最敬礼は45度、

とされています。

首と背中が一直線になるように頭を下げる方が自然で美しい姿勢になります。

また、語先後礼と言って「おはようございます」との発語の後に礼をするのが正しい作法とされています。

姿勢を正す

私自身は背中が曲がっているので介護職員にも時々注意されます。これもあまり力説できる立場ではないのですが、姿勢も礼節の一つです。

前傾にならず、反らさず、背筋をまっすぐ伸ばして立つ、歩く姿勢も背筋が伸び、膝が伸び、疲れない姿勢を身につけましょう。

挨拶

最初に来るべき項目かもしれませんが、挨拶は礼節の根幹です。

挨拶は心を開き、相手を受け入れる姿勢を示す効果があります。


挨拶プラスひとことを推奨している職場もあります。

「おはようございます、今日は暑いですね」、「おはようございます、昨日はよく眠れましたか」など、何かひとこと付け加えるとコミュニケーションがつながります。

まとめ

ここでは介護のホスピタリティに欠かせない礼節について紹介しました。

ルール通り、マニュアルどおりがホスピタリティにつながるとは限りません。

たとえば、語先後礼と言って「おはようございます」との発語の後に礼をするのが正しい作法とされていますが、デイサービスの出迎えで毎回このように一人ひとりに挨拶をすると、利用者も堅苦しく感じてしまいます。

どんな場合でも基本を知って臨機応変に応用しましょう。

他業種からの参入でも50代、60代の実年世代は人生経験や年輪があります。


臨機応変な対応は慣れておられると思いますので、それはそのまま介護の現場でホスピタリティにつながります。

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