スタッフからの相談対応02(従業員満足04)施設長の仕事04

50代,60代にはなつかしい昭和の蒸気機関車(国鉄) 施設長の仕事
50代,60代にはなつかしい昭和の蒸気機関車(国鉄)

50代、60代の実年世代で定年退職や早期退職などで介護業界に転職し、管理職を目指される方に向けて「老人ホーム施設長(ホーム長)の仕事」をいくつかの記事に分けて解説いたします。

施設長(ホーム長)の役割は、成果を出すための組織作り、ということに集約されます。

この役割を果たすために、施設長(ホーム長)が重視すべき課題がいくつかあります。

大きく分けるとその対象は、顧客満足、従業員満足、経営満足、の3点です。

利用者を大切にする、スタッフの力を最大限引き出す、経営改善に寄与する、などの施策を繰り返すことになります。

なお、この記事では「老人ホーム」という一般的な呼称で「介護付き有料老人ホーム」、「住宅型有料老人ホーム」、「サービス付き高齢者向け住宅」、「特別養護老人ホーム」を含むものとします。

それぞれの業態に共通する事項を扱うようにいたしますが、一部の業態や役割分担によっては対象外になることもあるかもしれませんので、あらかじめご了承をお願いいたします。

ここでは、スタッフの力を最大限に引き出すため、スタッフからの相談対応について触れます。

スタッフの相談対応

スタッフが安心して働ける職場づくりには、スタッフからの相談対応が欠かせません。

私がこれまでにスタッフから相談を受けた内容でステップアップに関するものをご紹介します。

それぞれその場で持っている知識で対応しましたが、正確なところは調べて後日回答としました。

その場で回答できなくても、相談を聴いてもらえるという安心感をスタッフに与えることが重要です。

会社(法人)ごとに細部が異なりますので最終的には専門部門に確認が必要ですが、相談を受けた際に少しでも知識があればスタッフの信頼感が増します。

資格取得

資格を取得してステップアップしたいという相談がよくあります。

相談を受ける資格は、介護職員初任者研修、実務者研修、介護福祉士、介護支援専門員(ケアマネジャー)が代表的です。

介護職員初任者研修、実務者研修

受講資格は特に制限はなく、誰でも受講できます。

研修受講に際しては、給付金や補助金を紹介してあげてください。


会社(法人)独自の制度も確認してください。


(参考)
ハロートレーニング
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/hellotraining_top.html

教育訓練給付制度
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/kyouiku.html

母子家庭自立支援給付金及び父子家庭自立支援給付金事業の実施について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000062986.html

※その他、助成金制度がある自治体もありますので、各自治体の制度もご確認ください。

介護福祉士

受験資格は、実務経験3年以上(かつ従事日数540日以上)で実務者研修を修了していること、となっています。

(参考)
介護福祉士 国家試験 受験資格(資格取得ルート図) 
https://www.sssc.or.jp/kaigo/shikaku/route.html

介護福祉士 国家試験 受験資格
https://www.sssc.or.jp/kaigo/shikaku/k_08.html

介護支援専門員(ケアマネジャー)

ケアマネの資格試験、というような呼称で一般的には呼ばれますが、正式名称は「介護支援専門員実務研修受講試験」といいます。

ケアマネジャーになるための研修を受けることができる資格を取得するための試験、という意味です。

受験資格は、保健医療福祉分野で5年以上(かつ従事日数900日以上)の実務経験を有する者、医師、保健師・看護師、社会福祉士、介護福祉士等の保健・医療・福祉に関する法定資格に基づく業務に従事した期間が5年以上の者等、とされています。

介護福祉士資格を取得してから5年以上の実務経験が必要です。

また、本試験の基準は全国共通ですが、各都道府県の管轄下で行われますので、参考としてWAM NETのページを紹介します。

なお、下記ページ内にある「実務研修」は「介護支援専門員実務研修」です。

上述の「実務者研修」とは全く別モノなのでご注意ください。

(参考)
ケアマネジャーのしごとガイド WAM NET(独立行政法人 福祉医療機構)

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正しい言葉づかいを教えてほしい

正しい言葉づかいについて相談を受ける場合があります。

こちらの人生経験を鑑みて応えてくれると思うのでしょうか、長年わからずに悩んでいたという人もいました。

言葉づかいの乱れを放置すると、やがて虐待に発展すると言われて、昨今では「言葉づかいの乱れは虐待の芽」として注目されています。

言葉づかいについてもスタッフから相談があれば対応できるようにしておきましょう。

利用者にとっては生活の場でもありますので、硬くなりすぎないように、尊敬語、謙譲語、丁寧語の正しい知識を持ったうえで、少し崩して使うのが理想的だと考えています。

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監督職として力不足を感じています…

主任やリーダーが何かのきっかけで自信喪失した際に、自分は今の立場に向いていない、という相談があります。

その多くの場合は、知識不足、経験不足、技術不足、性格的に強く指示命令できない、などの悩み相談です。

そんな場合は「リーダーシップの類型」(関連記事参照)を説明し、いろんな形のリーダーシップを使い分けてみてはどうか、と示唆します。

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まとめ

これまでに私が経験したスタッフからの相談で、ステップアップに関するものをまとめました。

会社(法人)ごとに体制や制度が異なりますので最終的には専門部門に確認が必要ですが、相談を受けた際に少しでも知識があればスタッフの信頼感が増します。

50代、60代の実年世代の方が他業種から転職され、施設長に赴任されるとスタッフの期待と不安が交錯している状態になります。

そんなときに一人から信頼が得られれば、口コミで広がります。

スタッフが相談に来たら、信頼を獲得するチャンスととらえて確実な対応を心がけてください。

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